高血圧フォーラム2026

基礎部会企画

(プログラム委員長 河原崎和歌子)

16日午前

   
 9:00-10:40 Featured Young Researchers in Hypertension (FYRH)賞受賞者発表セッション
10:50-11:25(時間が変更になっております) 招待演者講演1Prof. Ulrike Muscha Steckelings (University of Southern Denmark) New approaches for therapeutic targeting of the protective arm of the renin-angiotensin system
abstract(pdf)
11:25-12:00(時間が変更になっております) 招待演者講演2Prof. Paul A. Welling (Johns Hopkins School of Medicine) The kidney’s distal tubule potassium switch, modern diet, and hypertension
abstract(pdf)
12:10-12:20 FYRH賞授賞式
12:20-12:25 クロージング

プログラム委員長の言葉

Featured Young Researchers in Hypertension (FYRH:注目若手研究者)賞 受賞者発表セッション
  *(本セッションに限り現地参加のみです)
高血圧フォーラム2026では、次世代の高血圧研究を担う若手基礎研究者を対象に、Featured Young Researchers in Hypertension(FYRH:注目若手研究者賞)を公募により選出します。
本賞は、高血圧基礎研究領域における将来性豊かな若手研究者を見出し、その成長と飛躍を後押しすることを目的としたものです。独創性と発展性に富んだ研究を評価し、今後の活躍が期待される新進気鋭の研究者に授与されます。
受賞者には、当セッションにおいてご講演いただき、さらに当日の審査により最優秀賞およびベストプレゼンテーション賞を決定します。若手研究者同士の切磋琢磨とハイレベルな議論が繰り広げられる、本フォーラム屈指の注目セッションです。
さらに今年度は、昨年度受賞者による研究進捗発表も予定しており、本賞が単なる顕彰にとどまらず、受賞後の研究発展を継続的に支援する“成長のプラットフォーム”として機能している点も大きな魅力です。
なお、研究内容の機密性に配慮し、応募時の抄録は非公開とし、本セッションのオンライン配信も行いません。ここでしか聞けない最先端の研究成果と熱量を、ぜひ会場でご体感ください。
<2026年度FYRH賞受賞者発表>
  座長
    林 香 慶應義塾大学
    篠原 啓介 九州大学病院
     各13分(発表8分+質疑応答5分)
   演題1.鷲峯 紀人 (長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 内臓機能生理学・腎臓内科学)
    「アセチルコリン受容体を介した腎臓マクロファージによる血圧制御機構の解明」
   演題2.佐藤 迪夫 (熊本大学大学院生命科学研究部 分子遺伝学講座)
    「持続的高血圧ストレスによる非肥満型HFpEFの細胞間クロストーク再構築」 
   演題3.板井 駿   (東北大学大学院医工学研究科 腎・循環再生医工学)
    「流体力学解析とヒトiPS細胞由来3D血管モデルを用いた腎動脈狭窄症における血流力学的寄与の検討」
   演題4.岡本 健太郎(京都大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌・栄養内科学)
    「片側性原発性アルドステロン症に関連する新規循環血中miRNAの同定とその病態生理学的意義の検討」
   演題5.Guo Yu (大阪大学大学院医学系研究科 老年・総合内科学)
    「アンジオテンシンII受容体(AT1)を介するアルツハイマー病(AD)発症メカニズムの解明生理学的意義の検討」
   演題6.宮本 燎平 (九州大学大学院医学研究院 循環器内科学)
    「腎神経を温存した新規CKDモデルの確立と交感神経賦活化を伴う心機能障害の解析」
 * 演題6の当日発表は諸事情により中止となりました。

<2025年度FYRH賞受賞者発表>
  1.2025年度最優秀賞
     村田 知弥 (岐阜大学 高等研究院 COMIT)
    2.2025年度ベストプレゼンテーション賞
    森田隆太郎 (横浜市立大学医学部 循環器・腎臓・高血圧内科学)

以下はオンラインでも視聴可能です。

招待演者講演1
Prof. Ulrike Muscha Steckelings (University of Southern Denmark) Muscha
 Prof. Steckelingsは、レニン・アンジオテンシン系(RAS)の中でも特にアンジオテンシンII type 2受容体(AT2受容体)の機能解明と治療応用において世界的に著名な研究者です。 従来注目されてきたAT1受容体に対し、AT2受容体が持つ血管拡張作用、抗炎症作用、抗線維化作用といった臓器保護的機能を体系的に明らかにしてきました。
さらに近年は、皮膚における局所RAS(skin RAS)の研究を精力的に展開し、皮膚が単なるバリア臓器ではなく、ホルモン応答や炎症制御に関与する“内分泌的臓器”として機能することを示しています。特に、AT2受容体を介した皮膚の炎症・創傷治癒・線維化制御機構の解明は、RAS研究の新たな展開として注目されています。
  講演の見どころは、全身性RASの概念を拡張した、局所RASと臓器間連関という新しい視点からみる血圧調節と臓器保護機構です。AT1受容体拮抗にとどまらず、AT2受容体活性化による新たな治療戦略や、皮膚RASという新たなフロンティアに注目しつつ、皮膚・心血管・腎臓をつなぐRASシグナルの統合的理解と、AT2受容体作動薬の臨床応用への展望提示が期待されます。

招待演者講演2
Prof. Paul A. Welling (Johns Hopkins School of Medicine)
 Prof. Wellingは、腎臓における電解質輸送機構、とりわけナトリウムおよびカリウム輸送の分子基盤の解明において世界をリードする研究者です。これまでに、遠位ネフロンにおけるイオンチャネルやトランスポーター(ROMK、NCC、ENaCなど)の制御機構を明らかにし、体液恒常性や血圧調節における腎臓の役割を分子レベルから解明してきました。 特に、WNKシグナル伝達系を中心とした電解質輸送調節機構の研究は、高血圧や電解質異常の病態理解に大きなインパクトを与えています。
 本講演では、遠位ネフロンにおけるナトリウム・カリウム輸送の最新知見を基盤として、電解質恒常性と血圧調節の統合的理解が提示される予定です。
講演の見どころとして、WNK-SPAK/OSR1シグナル系によるNCC制御機構など、食塩感受性高血圧の分子機構の最新の知見や、カリウム恒常性維持機構のトピック、また、血清カリウム変動がどのように腎Na再吸収や血圧へ影響するかに焦点を当てたカリウム恒常性と血圧調節のクロストークに注目が集まります。